帰れない帰り道
始まりは、たった一言。 「オレと、付き合ってくんねぇ?」 「どこに?」 オレの一世一代の告白に、そんなボケた返事を返した葵ちゃんは、 オレの大事な可愛い恋人だ。 付き合うってのは、どこかに付いて来て貰うことじゃなく、 恋人同士になりたいということだと説明したら、葵ちゃんは驚きながらも、 小さく頷いてくれた。 こうしてオレたちは、晴れて恋人同士になったワケだけど。 オレの人生初めての彼女(…つっても男だけど)はどうにも一筋縄じゃいかねぇみてーだ。 「猿野のクラスは…数学の課題…提出ある?」 「知らん…つーかあっても出さねぇし」 最初にくらべりゃ大分喋ってくれるようになった葵ちゃんの声に聞き惚れつつも、 適当な返事を返す。 「出さなきゃ…ダメだよっ!!」 ちょっと怒ったようなそんな顔も、メチャメチャ可愛くて、ついつい顔がニヤけてしまう。 「ねぇ…聞いてる?何笑ってんの?」 「あぁ〜何でもねぇよ」 「っ///」 オレは、とっさに葵ちゃんの手を握ってごまかした。 そんで、心の中でガッツポーズ。 そう、実はオレ達、手ぇ繋ぐの今日が初めてだ。 「手繋ぎゲット〜」 オレがそう言って笑うと、 「バカ…///」 葵ちゃんも、顔真っ赤にして微笑んだ。 「っ…///」 つーか、その顔はマジでここ最近の一番のヒット!! 葵ちゃんと過ごす時間が増える度、色んな葵ちゃんが見えて、 ますます好きになってくオレが居て。 何かループみてーにどんどん気持ちがでかくなる。 手ぇ繋いだまんまオレ達は、真っ赤に照らす夕日の中、ゆっくりゆっくり歩いて帰った。 家に着くのに、いつもの二倍はかかった。 分かれ道で離れるのも、いつもの二倍、寂しかった。 明日も会えるのに、バカみてーだけど。 オレたちはしばらくそのまま見つめ合ってしまった。 「何か…いつもより離れがたいね」 うつむいて、恥ずかしそうに呟く葵ちゃん。 その言葉に、同意の意味を込めて、繋いでる手を強く握り締めるオレ。 何もかもが愛しくて、大切なこの時間。 「明日も、会えるのにね」 左手で前髪をつつきながら、葵ちゃんは苦笑した。 「だよなぁ〜」 オレも、つられて笑う。 そして、繋いだ手を肩の辺りまで上げて、目を合わせて、また笑った。 「でも、いいや」 「何でだ?」 「幸せだもん///」 「葵ちゃ…それ、犯罪」 「何でっ!?」 「可愛すぎだから」 「もうっ///」 このまま手ぇ繋いで、どこまでも行けたらいいのに。 オレはそんなロマンチックなこと考えながら、葵ちゃんを抱き寄せる。 「ちょっ…猿野っ…///」 「ヤベー帰したくねーわ」 「何にもしないなら…いいよ///」 「よっしゃっ。じゃー決まりな」 オレは葵ちゃんの手ぇ引いて一人暮らしの葵ちゃん家の方へ向かう。 「保障はできねーけどな」 「えぇっ!?」 悪魔の呟きを、残して。 -End- ++++++++++ まず、バカップル過ぎですみません。甘々、というリクでしたので、 甘くしようと思ったら、甘い通り過ぎてバカな二人になってしまいました。 司馬くんアホ子で、猿野くんの頭の螺子も外れてますが、 こんな物で良ければ貰ってやって下さいませ。 駄文な代わりに、西川の愛だけは、ウザい程詰まってます。 では、相互本当にありがとうございました。 西川柚子
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