ケーキと料理と葵ちゃん



女体盛り。
それは、男なら誰でも(?)一度は憧れる、永遠のロマン。
まさしく、幻の料理である。

















女体盛りがしてぇ。
ん?あ、でも葵ちゃん男だから男体盛りか。
でもこの響き、何かヤなモンがあるな。
猿野は、目の前で美味しそうにケーキを食べる司馬を見ながら、
そんなことを考えていた。

「………?」

ケーキを食べる手を止め、妄想でトリップしてしまったような
、恍惚の表情を浮かべる猿野の顔を、
司馬が不思議そうに覗き込めば、ようやく猿野は我に返った。

「葵ちゃん、ついてる」

司馬の鼻の頭についた生クリームを指で掬い、ペロっと舐めると、
司馬は恥ずかしそうに笑った。

「どうやって食ったらンなトコにつくんだよ」
「…普通に?」

そう言って、首を傾げた司馬に、
カ・ワ・イ・イ!!!
猿野は呆気なく撃沈した。
やっぱ葵ちゃんカワイーなぁ。
鼻に生クリームつけて似合う男もそうそう居ねーよ。
流石オレの葵ちゃん。
つかケーキや料理も死ぬほどうめーけど!!
やっぱオレは葵ちゃん食いてーんだよ!!
つーか女体盛り!!
ケーキと料理を葵ちゃんごと食いてー!!!!

「あ!」

司馬が声を発したのと、猿野が妄想を行動に起こし、
司馬を押し倒したのは、ほぼ同時だった。

「猿野…誕生日、おめでとう。まだ、言ってなかった…よね」

あまりに突然だったせいか、事態を把握できていないらしい司馬は、
淡々とそう言って、愛らしい笑顔を猿野に向けたあと、ようやく赤面した。

「…サンキュ。つか、反応おせーって」
「な…何?」
「今日オレ、誕生日だよな?」
(こくん)
「つーワケで」

猿野は、ごそごそと司馬の上着を脱がせ、
ケーキの生クリームをぐいっと指で掬った。

「ちょっ…やっ、何?」
「ケーキと料理と葵ちゃんを一気に頂こうと思って…」
「何…考えてんのっ!! バカッ!!」

司馬が猿野を押し戻せば、その勢いで猿野の指についた生クリームが、
司馬の胸元に線を描く。

「ついちゃったじゃん…」

小さく呟く司馬を、これは神からのおぼしめしだ!!
と、猿野は再び司馬を押し倒し、生クリームのついた箇所に、すうっと舌を這わす。

「んんっ…」

ピクンッ、と猿野の舌に合わすように、司馬の身体が上下する。
ヤベー!!
可愛すぎだろ!!
もう無理。
もう死ぬ。
悶え死ぬ!!!!
つか、今死んでも悔いはねぇ!!
あーでもやっぱ最後まで頂いてからだ!!
今までのケーキや料理は前菜か!!
葵ちゃんがメインディッシュか!!
いや、メインディッシュが女体盛りだ。
デザートが葵ちゃんだ!!!!
興奮し過ぎた猿野は、上手く回りきっていない思考を思いっきり暴走させたあと、
司馬にちゅっ、と口付けた。

「プレゼントも、葵ちゃんで♪」

司馬は予想していたとは言え、結局こうなるのか、と溜め息を吐いた。
が、まぁ誕生日だし、『も』というのが何だか気になるが、仕方がない、と小さく頷いた。

「よっしゃ、女体盛り〜♪」

しかし、そう言って料理を持って笑う猿野を見れば、
誕生日だからって甘やかすわけにはいかない、と必死に抵抗するのだった。





HAPPY BIRTHDAY









END







+++++++++++

初のフリー小説がこんな下らないシモ気味の話でいいのか、という感じもしますが、
せっかく書いたので、フリーにします。
報告は結構なので、遠慮なく持って帰ってやってください。
やっぱり猿馬本命としては、書かなければならないと思いまして、書いてみました。








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