着せ替え葵ちゃん.1
「葵ちゃん、いいモン持って来たぜ〜」
司馬は嫌な予感を感じずにはいられなかった。
今まで、猿野が、"いいモン"だと言って持って来た物にはロクな物が無かったからだ。
最初はエロ本(意地でも見なかった)。
次はAV(ビデオデッキを貸さなかった)。
その次はどこから持って来たのかバニーガールの耳(無理矢理つけさせられた)。
その次は生クリーム…(何に使ったかは自主規制)。
いや、むしろもう、何が来ても怖くないかもしれない。
司馬は、恐る恐る尋ねる。
「何を持って来たの?」
「ジャーン、見ろっ」
「何…?コレ…」
「何って…葵ちゃんは自分の高校の制服も知らねぇのか?」
「それはわかってるよ、でも…女子の制服じゃん。何で持ってるの?」
「明美やってる時に着てるだろ〜」
「あ、そっか」
って、納得してる場合ではない。
「で、何でそれがいい物なの?」
「鈍いな〜葵ちゃんは。何でって、着るに決まってんだろうが」
「天国が?」
「オレが着てどーすんだよ!?」
「いつも着てるじゃん…」
「葵ちゃんに決まってんだろ、って訳で、脱げ」
「…え?」
どうか、聞き間違いでありますように。
司馬は、そう願って聞き返した。
「誰が…着るの?」
「葵ちゃん」
即答だった…。
「やだっやだやだ。絶っっっっっっ対やだーっ!!」
「ぜってぇ着せる!!」
猿野はそう言うと、司馬の上に座り、鼻唄を歌いながら、司馬のTシャツを脱がせようとする。
しかし、司馬があまりにも抵抗するので、上手く脱がせられない。
と、その時、猿野の頭に名案が浮かんだ。
「制服が駄目なら…オレが合宿の肝試しで着たやつでもいい」
司馬は、記憶の糸をたぐりよせる。
全部露出度高かったような…あっ!!
「じゃあ…僕と一緒の時着てた浴衣なら…いいよ…」
「あーあれな、汚れちまってよ、シミ取れなかったから捨てたんだ」
「え…?」
それ以外のを着る位ならば、制服の方がまだマシだ。
猿野は、司馬の考えを見透かしたように尋ねる。
「制服と、肝試しの時の服、どっちがいいんだ?」
その時、司馬の頭の中には既に、どっちも着ないという選択肢もある事はすっぱり抜け落ちていた。
「制服…着るよ、でも自分で着替える。それに恥ずかしいから、あっち向いてて…」
「おお、わかったぜ」
作戦大成功だな。
葵ちゃん、勉強は出来るのに、こーゆう所はぬけてんだよな〜。
そこが可愛いんだけどよ。
猿野はそんな事を考えながら、司馬が着替え終るのを待つ。
…が、どうしても興奮を抑える事が出来ない。
すぐ後ろで着替えの音がし、猿野を煽る。
もう我慢出来ねぇ!!!!
猿野が振り向こうとしたその時。
「あっ…天国、出来たよ…」
と、恥ずかしそうな司馬の声。
待ってましたとばかりに振り向いた猿野は、今なら死んでもいい!!
そう、思った。
猿野の前に立っているのは、恥ずかしそうに短いスカートの丈を引っ張る司馬の姿。
な…生足!!
白っ!!細っ!!
予想以上の司馬の姿に言葉をなくす猿野。
「あ…天国…どう…かな?」
何も言わない猿野に、やっぱり似合わないんだ…と不安になり、尋ねる司馬。
何だコレ!?
可愛すぎるだろ!!
男なのに、こんなにセーラー服似合っていいのかよ!?
これ、ちょっと誰にも見せらんねーな…。
いや、別に誰にも見せる必要なんてねーけどよ。
でもまさか
いくらなんでもこんなに可愛いとは思わなかったぜ…。
司馬のあまりの可愛さに別の世界にトリップしていた猿野に、司馬の声が聞こえるはずがない。
「天国の…ばかっ」
司馬がそう叫んだ所で猿野は、ようやくこっちの世界に戻ってきた。
「どうしたんだ?」
と、呑気に尋ねる猿野に、司馬は半泣きになりながらも答える。
「何で…何も言ってくれないの?似合ってないなら…ハッキリ言ってよ…」
「悪りい…オレ葵ちゃんが可愛すぎて、ついみとれちまってよ…何も言葉が出なかった」
猿野の言葉に、司馬はますます赤くなる。
司馬を抱き締め、猿野は司馬の耳元で囁く。
「すっげー似合ってる。世界一可愛いぜ」
司馬も
「ありがとう」
と呟き、抱き締め返す。
そして、そのまま軽くキスをした。
「さてと、やるか」
「何を?」
猿野の言葉に、司馬は首を傾げた。
「そんなの、決まってんだろ〜」
猿野は司馬を押し倒し口づけた。
「一回セーラー服脱がしてみたかったんだよな〜」
「天国…だめっ…だってば」
「これが本当のコスチュームプレイってな」
「ばかっ…変態っ」
「変態上等!!大丈夫だって、葵ちゃんにしかしねぇからよ」
何で僕、天国の事好きなんだろ…。
司馬はそんな事を思いつつ、猿野の言葉に呆れる位嬉しくなっている自分にも気付いていてた。
そして猿野はと言うと…。
次はメイドかナースだ!!
でもチャイナも捨て難い…。
いや待て、やっぱ裸にエプロンか?
なんて事を悩んでいるのだった。
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大分前からメルマガでシリーズ化してるコスプレ物です
このシリーズ書くの、メチャメチャ楽しいんですよね〜
もしかしたら西川の本質を表しているのかもしれません…
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