着せ替え葵ちゃん5


今日は朝から何だか、嫌な予感がしたんだ。



久々に部活のない日曜日。
司馬がCDを買いに行こうと家を出ると、リムジンに拉致られた。
こんな事が出来るのは一人しか居ない。
野球部主将で司馬の恋人。
牛尾御門である。
野球は上手い、成績も良い、家は大金持ち、ルックスも良けりゃ、人望もある。
そんな一見完璧な牛尾だが、彼は変態だった。

「やぁ司馬くん、野球は好きかい?でも僕にはもっと好きな物が出来た。それが君さ」

初対面の司馬をそう口説き、困惑させたり、何故か司馬の行く先々に現れるだなんて事はお手の物。
今日だって、司馬がCDを買いに行く事を知っていたかのように、リムジンは待ち受けていた。
どこに連れてかれるんだろ…。
司馬がぼんやり考えていると、薬品を嗅がされ、そこで司馬の意識は途絶えた。



「…い…葵…起きて」

牛尾の声で司馬が目を覚ますと、そこは会社だった。

「ここ…どこ?」

そして、司馬は自分の姿を見て唖然とした。
何故かOLのスーツの様な服を纏い、丁寧にストッキングまで履かされている。

「な…何これっ」
「葵、駄目じゃないか仕事中だよ?」
「キャ…キャプテン?」

そこにはスーツを着た牛尾の姿。

「ははは、嫌だなぁキャプテンだなんて、牛尾部長だろう?」

「……………?」

今の現実を、司馬の頭で処理するには、少し時間がかかった。
そして、司馬にとっては認めたくない現実が目の前につきつけられる。
もしかして…これは…会社プレイってヤツですか…?
司馬が辺りを見回すと社員が何人も居て、机やパソコンも設置してあり、どこからどう見ても、会社にしか見えない。
流石御門さん、やる事なす事大掛りだなぁ…。
と、司馬が感心した様な呆れた様な微妙な感情を抱いていると

「ひゃっ…」

誰かが司馬のお尻に触った。

「君は毎日よく働いてくれるねぇ」

慌てて振り向くと、そこには知らないおじさん。

「誰…ですか?」

司馬が尋ねると、牛尾がその人の手を捻りあげた。

「課長、僕の葵に触らないで下さい」

牛尾がそう言うと、課長と呼ばれた人はどこかへ行ってしまった。

「牛尾部長カッコいい」
「葵ばっかりずるいわよね」
女子社員の話し声までする。

「細かすぎる…」

司馬が呟くと

「葵、大丈夫かい?」

牛尾が笑顔で聞いてくる。

「あ…はい…まぁ…」
「そうかい、良かった!!」

牛尾は司馬の返答に満足気に微笑むと、自分のデスクに戻った。

「どうしよう…」

全く出られそうな雰囲気もなく、このままこのプレイに付き合わなくちゃならないらしい。
視線が痛いなぁ。
司馬は牛尾の熱烈な視線を受けつつ、仕事…
と言っても何をすればいいのかわからないので、ネットをして時間を潰す事にした。
そして、そのまま約一時間が過ぎた頃。

「葵、これコピーしておいてくれるかい?」

牛尾から渡された書類に挟んであったのは
"昼休憩、会議室で"
という何ともベタベタなメッセージ。
しかも、司馬がそれに目を通したのを見計らう様に、周りの社員はお昼の準備をし始めた。
司馬が牛尾の方をチラと見ると、既にもう居ない。
会議室、行かなきゃ…。
ん?会議室って…どこ?
司馬がそう思った途端

「そういえば、会議室はこの部屋の右隣よね」

という言葉が耳に入ってきた。
あまりに不自然だったが、司馬は気にしない事にした。
もう全部、牛尾さんなら可能だって理由でいいや…。
そんな事を思いつつ、司馬は会議室の扉を開く。

「葵、今日の仕事中、インターネットをしていたね?」
「え?あ…はい」
「駄目じゃないか、仕事中にしちゃ…」
「ごめんなさい…」

牛尾は司馬を手招きし司馬は牛尾が座る目の前に立つ。

「さっきの書類は、コピーしてくれたかい?」
「あ…まだ…です」
「もうちょっと、仕事の仕方を覚えてくれなきゃ困るよ?」
「………」

司馬は何故怒られているのかわからなかったが、とりあえずシュンとしておいた。

「そんな悪いコには…お仕置きしなきゃ…ね?」
「はい…ぇえ!?…お仕置き!?」

思わず返事をしてしまった司馬を、長机に押し倒し、深く深く口付ける。

「ん…っんぅっ…」
「一度、ストッキングを破ってみたかったんだ」

牛尾はブラックな笑顔でスカートをたくし上げ、司馬のストッキングを内股からビリビリと破る。

「み…御門さん…だめぇ…」
「僕は、牛尾部長だよ?」

そして、露になった真っ白な太腿をペロッと舌先で舐めた。

「や……あぁんっ」

司馬の背筋に電流が走る。

「声、隣の部屋まで聞こえちゃうかもね?」

牛尾の言葉に、司馬ははっ、と口を両手で塞いだ。
しかし、牛尾はその手を左手で司馬の頭の上で一つにまとめると、スーツのブラウスのボタンをプツプツと外してゆく。

「…牛尾部長っ…。やめて…下さいっ」

牛尾は司馬の言葉に満足気に微笑むと、白い胸の小さな突起を甘噛みした。

「あっ……ん。やだぁ…」

舌を這わすと、司馬は涙で瞳を潤ませ、真っ赤な顔で下唇をぎゅっと噛んで<ひたすらに声を抑える。
あまりに期待通りの司馬の反応に、牛尾は高揚を抑える事が出来ない。

「んんぅっ…」

司馬の唇を強引に舌でねじ開け、口内を激しく犯してゆく。
そして、牛尾が司馬自身に触れようとした瞬間…。



   "ガタンッ"



2人分の重みに耐えきれなくなったのか、長机の片側はそのまま床に打ち付けられた。
そして、滑り台のように床へと滑り落ちた二人。

「痛ぁ…」
「葵、大丈夫かい!?」

牛尾はすぐさま立ち上がり、倒れたままの司馬に手を差し出した。

「……ありがとう…ございます」

その姿はあまりに格好良くて、司馬は今までされた事を一瞬忘れそうになったが、

「続きはベッドの上でね♪」

と何の悪びれもなく微笑む牛尾に、付き合い方を考えなきゃ…と思う司馬だった。
しかし、それでも結局は流されてしまうのだが、司馬はいくら変態でも、自分に情熱を注いでくれる牛尾が好きで好きでたまらないのだ。



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変態キャプが大好きです。 戻る

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