キスしていいですか?


「キスしていいですか?」
「はァ? いきなり何言い出すんだてめェ。正気か?」
「おれはいつだって正気です」

土方が部屋で束の間の休憩を楽しんでいたら、ノックもせずに上がりこんできた山崎に突然射抜かれる。
少々どぎまぎしつつも平静を装って答えれば、更に強い眼が土方を刺した。

「何なんだ、お前は。嫌がらせか?」
「ひどいです副長! おれはただ……」

しかも少し強い言葉を投げかければ、よよよ、とその場に崩れて嘘泣きまで始めるものだから手に負えない。

「山崎、てめェいい加減……」

あまりにも長い山崎の嘘泣きに業を煮やした土方が山崎の腕を掴んで起き上がらせれば、案の定涙など一滴たりとも零してはいない。
山崎はえへへ、と笑うと寄り添うように土方に抱きついた。 「甘えてェなら、素直に来やがれ」 「副長、それで相談なんですけど……」 「何だ」 「キスしていいですか?」 「駄目です」 「どうしてですか!」 山崎がどうしてもおれは今副長とキスがしたいのに、と土方の腕の中で駄々をこね始めると、土方は小さく溜め息を吐いて山崎の唇を塞いだ。
「んっ……」 土方は、思い知らさせるように山崎の口内をめちゃめちゃに侵し、唾液を絡ませた舌で舌を追う。 長い長い口付けの後、土方がようやく唇を離すと、山崎は苦しそうに呼吸をして、身体に力が入らないのか、ぽすっと土方の胸に寄りかかった。
「こうなること、わかってるからだろ」 ぶっきらぼうながらも、どこか優しい土方の口調に、山崎は恥ずかしくなって土方の胸に顔を押し付けて自分の顔を隠した。
「土方さんの、意地悪」 「意地悪なのはお前だろうが」 そして土方は、大きな手でぽんぽん、と山崎の後頭部を撫でて苦笑した。 「もう、仕事手ェつかねーだろ」 「え? あっ……ちょっ、ふくちょ……」 ほのぼのとした時間も束の間、土方は山崎の服に手を突っ込み、胸を弄り始める。 息の上がった山崎が土方の背中の服を握り締めると、土方はゆっくりと山崎を畳の上に押し倒した。 「セックスしていいですか?」 「……っ、駄目ですっ」 いつの間にか逆転していた互いの立場に、二人は少しだけ笑ってまたキスをした。 「やっぱり……いいです」 土方の下で小さく呟いた山崎に、土方は脳内で悶えた後、山崎の首筋に噛み付くようにキスをした。 一回のキスをねだっただけなのに、えらいことになってしまった、と思いながらも、山崎は幸せな気持ちで眼を閉じた。 +++++++++ 最近土山に萌え過ぎて困る。 土山もジャンルなんです! と言い張れるくらい小説増やしたいな。


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