待てない気持ち


「監督は…逃げてるだけですよ」
「大人をからかうのもいい加減にしろ」

キリのない程の口論を重ねた後、僕らはようやく一つになった。
初めて「誰か」を受け入れた僕の奥は、今もまだ痛みと共に、快楽の収縮を繰り返している。

「あー何だ。その、身体は大丈夫なのか?」

そういうことを言うのを、慣れてなさそうな監督の口調がおかしくて、僕は少し笑って、頷いた。
悪いことをした、なんてみじんも思わない。
ただ、待てなかっただけだ。
好きだから。
誰が何と言おうと、監督が好きだから。
この、高鳴る気持ちが色褪せてしまう前に。
この、刹那い衝動が消えうせてしまう前に。
ただ、一つになりたかった。
それだけ。
僕は、監督が好き。
監督も、僕の気持ちを受け入れてくれた。
それなら、行き着く先は一つだけ。
待てない僕は、駆け引きなんかわからずに暴走する。
脱いだ衣類が床に散らばっている。
散乱したそれは、まるで僕の気持ちを表してるみたいだ。
胸の奥が苦しくて、監督にぎゅっと抱きついた。
生き急ぎすぎた僕は、一体このままどこへ行くんだろう。
僕はそれが、監督と一緒ならいいと思った。
例え今だけの衝動だとしても構わない。
そんな衝動抱えたまんま、どこまでも堕ちてゆければいいのに。














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羊馬です。羊馬はやっぱり、物凄い背徳感を漂わせたいです。
マガの再録をほんの少しいじりました。
でもまだ、もっと、背徳な感じにしたいです。






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